ガレージ併用 完成後の様子

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ガレージ併用住宅 竣工写真

設計のポイント

敷地は、眼前に太平洋を望む南房総。1月から春の花が楽しめる温暖な気候が魅力で、1年を通じて四季の移り変わりを身体で受け止めることのできる緑豊かな山と雄大な太平洋に挟まれた場所です。
時に、クライアント1人で“スポーツカー”とじっくりと向き合う事ができ、時に、家族で集えるという二面性を持った空間を計画しました。

計画のポイントは4つです。
A、自然に溶け込みつつも、厳しい自然環境に耐え得る建物とする。
B、外部からの視線を遮りつつも、「山の緑」や「雄大な太平洋」などの眺望を楽しむ。
C、「住まい」と「ガレージ」はあえて明確な境目を設けず、緩やかなプランニングを。
D、ガレージ空間は使用しながらでもカスタマイズが可能な様に空間に柔軟性を持たせる。

建物のコンセプトはシンプルでコンパクトな“箱”としました。また4つのポイントを解決するため、 “箱”の外部は、厳しい自然環境と外部からの視線をほどよく遮るため、開口部の向きや高さ、数を制限しました。対して“箱”の内部は、部屋と部屋を明確に区切る壁を設けず、それぞれの視線が緩やかに繋がり、絡み合うデザインとなっています。 また室内のどの場所からも山の緑と雄大な太平洋が望めるように計画しました。

室内に唯一ある仕切りは、水廻りを集約した“鉄板”の衝立だけとなっており、この自立した“鉄板”には、ミニキッチンと洗面器、トイレが表裏で配置されています。それが浴室の目隠しとしても緩やかに機能しています。また、梁や柱の存在が分からないよう、壁の厚みの中でそれらを処理する事でシンプルな空間を実現している事も大きなポイントです。

使い勝手に柔軟性を持たせるため、ロフトへの階段は可動式として階段の位置を変えることが出来ます。そのため、車を留めるスペース、人が集まるスペースを自由に変えることが可能となり、吹き抜けは、将来、既成のデッキプレートを使用しても耐力的に問題のないスパンで設計し、手軽に床を増やせるようにしました。
全体的に柔軟な空間とした事で、使い勝手や将来の変化に対応できるフレキシブルな建物となっています。

クライアントとの出会い

クライアントは、このプロジェクトとは違う仕事で出会った方です。
その仕事から半年後くらいに、クライアントから連絡があり、「海沿いに求めていた土地を見つけたので車庫のある別荘をつくりたいから、今度、話しを聞きに来てよ」と言われました。 詳しい所在地は聞いていませんでしたが、「インターネットに出ている」と言われていたので目星を付け、休日を利用してドライブがてら打合せ前の敷地見学に行きました。 最初の打ち合わせで、敷地写真と簡単な案を持参したらビックリされました。
それからはスポーツカー好きのクライアントらしく設計は一気に加速していきました。

クライアントインタビュー

岡松利彦建築設計事務所へ依頼されていかがでしたか?

・“最高の仕事”だった。一部の建築家に見受けられる様な、「建築家の思い込みによる作品の押し付け」
  ではなく、「一緒につくる作品」として自分の意見に耳を傾けてくれた。要望を汲み取ってデザインの提案を
  してくれた。また浅い解釈で動いたりせず、誠実に自分と向き合い、理解に努めてくれて信頼が出来る人。
  
岡松建築設計事務所にご依頼された決め手は?

・“人柄”と“もの造り”の姿勢、落とし込み方に共感できた。特に建物と自然との関わり方の考えが秀逸。

・目が届かない現場だったので現場チェックの代行者として信頼性が高いと判断した。
こだわったポイントは?また実際に完成してみてどうですか?

・ロケーションを最大限に活かした、“非日常”空間の演出。具体的には「海の家」としての特徴を活かす事で、太平洋を五感で感じる事ができ、かつ、広々とした自然との一体感を実現した。

・「家族で楽しむ別荘」を第一として建てていないので、家族と離れられる「自分だけの空間」を造る。
お気に入りのスポットがあれば教えてください。

・自宅とここを結ぶ、国道410号線(R410)を含めた全行程(時間、距離、場所)が建物、
  もしくは建物の一部だと考えられる事。この道のりを車で走る時の、季節の移ろい、鳥のさえずりを体で感
  じ ながら 、木々の間を走り抜ける時の爽快感はたまらない。

・大きく切り取られた窓(ピクチャーウィンドウ)。太平洋がワンスケール大きく感じる窓(仕掛け)。

・開放感を感じる1階と対照的な包まれた感じがするロフト。天井の高さが程よく、安心してぐっすり眠れる。

・屋上の眺望。360°のパノラマで海と山を一望できる。

・外部からの脅威に守られている感じが良い。

・スチールの門。要望してなかったが、出来て見てわかったが、有ると無いとでは安心感が違う。有って
  よかったと思える。門のデザインが秀逸(閉じた時と開けた時の変化。)で、建物全体のイメージが柔らか
  くなり、周りの風景に溶け込んでいる要因だと思う。ミクロな発想ではなく、地域の環境、風景と馴染んで
  いる。

・デザインがとんがっていないところが良い。
実際に住まわれてみて、こうすれば良かったと思う場所はありますか?

・植栽による目隠しとロフト間の往来ができるようなブリッジをつけても良かった。
これから家を建てようという人に一言あれば・・・

・設計者も色々なタイプの方がいるので、自分に合うかどうかを確かめたほうが良いと思う。
 「巨匠建築家に設計を依頼したい!」という想いだけが先行している人もいるようですが、私はそんなの
  は ナンセンスで、自分にとっていいものを手に入れるには、自分にとっていいパートナーを得る事が必要
  だと思っている。


ガレージ併用住宅オーナー

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